コメ価格が下がる見通しは無い

政府が備蓄米21万トンを放出したが、コメ価格の高騰は止まる気配がない。コメの民間在庫量は、コメ価格の高騰で世間を騒がせた2012年でも180万トンだったのに、2024年は153万トンしかない。21万トンを放出しても180万トンにも達しない。コメ価格の高騰は、間違いなく在庫不足のためなのだ。江藤農水相の見解は二転三転した。初めは「流通で停滞している」と言っていた。「新米が出回われば落ち着く」とフォローした。それが投機的な買い占めに変わった。更に、流通業者や消費者が在庫を少しずつ増やしたためと変化した。そして備蓄米の放出を決心した。それでも高騰は止まらず、ついに備蓄米の放出を今夏まで毎月10万トン実施すると表明した。更に更に、ようやく輸出米を増やし、増反政策に舵を切ることになった。しかし、その具体策は無い。問題は、政府は備蓄米を放出した分を今年のコメで買い戻すことだ。結局、在庫は益々減るばかりだから、コメ価格が下がることは有り得ないのだ。農水省に任せておいては埒が明かない。コメの増反政策は農水省から切り離し、内閣府経済安保担当に移した方が良さそうだ。