それでも原発を再稼働すべきか

柏崎刈羽原発で事実上の運転禁止命令が解除されてから、まもなく1年が経つ。政府は脱炭素化を錦の御旗に原発再開を目指している。退陣が決定した岸田は「柏崎刈羽原発の再稼働の重要性は高まっている」と表明した。でもそれは、次期政権に引き継いでもらうためのピン止めだったと言われている。案の定、石破は引き継ぎ「安全を大前提とした原子力発電の利活用。日本経済をエネルギー制約から守り抜きます」と宣った。でも、原発の再稼働は地元の同意がカギを握る。では、地元の花角新潟県知事は何を考えているかというと「県民がどういうふうにこの問題を受け止めているか、それを丁寧に見極める」と、自らの責任を逃避している。十倉経団連会長も「早期に原発再稼働を」と懇願している。そして、小早川東電社長と小林東電会長が花角知事を訪問し、あの小林東電会長が「安全第一でやるから宜しく」と頭を下げた。小林と言えば、あの三菱化学を建て直した人物だ。でも、東電会長になると、聡明な判断力が曇ってしまうようだ。結局、新潟県民の有志の努力で、再稼働の可否を市民投票に持ち込むことになった。まとめると、原発推進派は何も考えていないことがわかった。政府は脱炭素と言えば済む。経団連は経済優先と言えば通る。新潟県知事は何も考えていない。マスコミは沈黙し嵐が通り過ぎるのを待っている。東電は福島原発事故を完璧に忘れてしまった。事故の怖さとはた迷惑さを知っているのは、福島県民だけなのだ。