理研の非正規率は高く、任期が付いた研究者は全体の約7割に上る。時限付きの研究プロジェクトが多いのが1つの理由だが、それだけでもなさそうだ。1年ごとに厳しい研究評価がくだされる。任期制の職員に退職金は無い。研究業績が基準に満たされない時は、雇用が解消される。一方で優秀な研究成果を上げた研究者が他の研究機関にステップアップしていくこともある。研究成果によって評価され、研究継続か中止かの判断が行われるが、中止になった研究プロジェクトは無い。日本を研究を代表する理研で、雇い止めの可能性のあった研究者らは380人のうち184人が失職した。そのうちの1人が訴訟を起した。2013年に施行された改正労働契約法で、研究職の場合特例法で有期契約が10年を超えると無期雇用に転換できる権利を得ることになっている。だが、この1人は研究が軌道に乗っているのに、11年目の契約時に雇い止めを宣告されたのだ。結局、理研は人件費増を避けるため、研究テーマと人材を切ったということだ。政府は科学研究費を年々減らしている。科学研究を軽視している。30年間もGDPが伸びない原因の1つは、政府の科学研究軽視にあるというのに。
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