東京新聞によると、オリジナルな人工言語を一から作っている中学生がいるという。民族や国家などによって自然に発生した日本語や英語などの言語は「自然言語」と呼ばれるが、個人や団体が人為的に文法や文字を作成したオリジナル言語は「人工言語」と総称される。その中学生とは、大泉高校付属中学校に通う須藤宗一郞君だ。自ら考えた架空の世界で話されているという設定で、文法や発音の細かいルールは実在する言語のようで、文化や他国との交流といった背景にも思いを巡らせ、独創的なファンタジーワールドを築き上げているという。「現代標準エウェル語文法」と題した文法書まで作成されている。フィンランド語やトルコ語など実在する言語の影響を受けてはいるが、文法も単語もすべてオリジナルとのこと。最大のこだわりは、不合理にも見える複雑な文法だという。同じ人工言語でも、学びやすく例外を排したエスペラントのようにしなかったのは、自然に成立した言葉の特徴を持たせた方が好きだからと言う。これまでゲルツァンカ語、ケンツラー語、そしてエウェル語といったオリジナル言語を作ってきたという。どの言葉も、それぞれ架空の世界とセットになっている。今の言語作りはあくまで趣味で、将来の夢は言語学者だと言う。近い将来、現在のエスペラントに替わる第2のエスペラントが生まれるのかもしれない。
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