住友電工のレドックスフロー電池

日本のGX(グリーン・トランスフォーメーション)革命を北海道が牽引している。北海道・石狩に建設した住友電工のレドックスフロー電池だ。世界的に再生エネルギーへの転換が進んでいる。だが、風力や太陽による再生エネルギーは、余剰に生じる電力を貯めることが難しいのが最大の欠点だ。現在最も普及している蓄電技術はリチウムイオン電池だが、寿命が短い。そこでレドックスフロー電池の出番となる。レドックスフロー電池とは、硫酸バナジウムの電解液が満たされタンクに、正負の電極が取り付けられたもの。充電したいときは、風力で発電した電気をプラス電極側に送る。するとバナジウム電解液中の電子がプラス電極側からマイナスへ移動し、電気が蓄えられる。放電したいときは、マイナス側に集合していた電子をプラス側へ流す。原理的に劣化しないし、蓄電容量を増やすにはタンクを大きくするだけで済む。問題はコストだ。製造コストがリチウムイオン電池の2倍。世界に供給されるバナジウムの4分の3が、中国かロシア産なので供給が不安定だ。幸か不幸か中国がレドックスフロー電池に前のめりとのこと。普及すればコストはクリヤーするはずだ。