EVバブル崩壊か

一時は時代の寵児と持て囃された電気自動車EVが、今やEVバブル崩壊かと騒がれている。テスラは大幅値下げを断行し、殆どの主要自動車メーカーはEV減産にシフトし、EV最大市場の中国も販売台数が激減している。要は、環境に優しいとは言っても、高額な割に使い勝手が悪いからだ。1回の充電でガソリン車並みの走行距離が実現出来ないし、いつでもどこでも容易に短時間でEV充電できる世界とはなっていない。ボディーを形づくる鉄鋼とAlを除くと、Li、Ni、Co、Mnなどの鉱物資源がガソリン車の6倍も必要とされる。これらはアフリカやアジア、南米の新興国に偏在しており、採掘による汚染も大きく、環境汚染に苦しむ各国は「きれいになるのは先進国だけだ」と不満が高まっている。中国では、高速道が無料化され、旧正月には多くのEVが繰り出したが、大寒波でEVの欠点が明らかになり、一挙にEV離れが進んでしまった。EVが優位になるには、相当時間がかかりそうだ。一方で、市場はハイブリッド一色になりつつある。その間にカーボンニュートラル燃料や水素の開発が追いついて来る。混沌とした時代を迎えている。