ブラックボックス化する中国

中国株が大暴落し3年間で7兆ドルもの時価総額が失われた。中国のGDPが17兆ドルだから、喪失額はGDPの4割にも達する。また、中国国家外貨管理局の2023年国際収支統計によると、外資企業による直接投資は前年比82%減の330億ドルに落ち込んだ。経済が失速してしまったのは、経済音痴の習近平によるものが大であることは間違いない。米国の半導体規制、不動産バブル崩壊、IT規制、国家安全の重視等が要因だ。特に外資が中国から逃げ出してしまった要因は、国家安全条例の制定に違いない。国家安全条例の原案では、国家に対する反逆、反乱、スパイ行為、国家の安全に危害を加える破壊活動、外国勢力による干渉、の5つの犯罪を取り締まるとしている。しかし、どのような行為が各犯罪に問われるのかが不明確のままだ。政府は、昨年過去最悪を記録した若年失業率の公表を止めた。ウェイボーはユーザーに経済の悪口を言わないよう求めている。著名なエコノミストやジャーナリストの論評が中国のネット空間から削除されている。中国はブラックボックス化にまっしぐらに突き進んでいる。もう爆買いも訪れない。旧正月の賑やかなニュースで、それらを覆い隠そうとしているように映る。