結婚記念日を祝って、久し振りに外食をすることにした。ネットで選んだのは初めての創作鉄板料理店。記念日だから、少し高めのコースを選んだ。席はカウンターを指定した。目の前で調理が見えるし、料理人との会話も楽しめるからだ。入口を入ると、内部は黒一色で、席数は30席ほどで、こぢんまりしている。名を伝え通されたのが寒い入口近くの席。エッ、ここなの。折角高めのコースを予約したのにと少し後悔したところから、食事が始まった。ところが、料理を間近で見られる特等席だった。鉄板料理と言うから、お好み焼きを想像していたのだが、全く違う。山芋チーズ、焼き玉ネギ、丸ごとナスはドームカバーで蒸し焼き。日本一軽いねぎ焼き、トリュフエキスを注入した牡蠣、そぼろピーマン等々野菜料理のオンパレードだ。そしてメインの和牛シャトーブリアンと和牛サーロインに辿り着き、最後がガーリックライスと赤出汁と甘味で〆。料理は旨かったが、オーナーシェフとの会話も料理を引き立てた。帰りにオーナーシェフが店の前に出て見送ってくれた。自分たちが見えなくなるまで、オーナーシェフは店の前で見送り続けていた。自分は若い頃に「礼儀としてお客様が見えなくなるまで見送り続けなさい」と教わったことがあることを思い出した。最後の最後まで、気持ち良く楽しいディナーであった。
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