授賞者と受賞者が同じ人

藤井八冠が誕生し、将棋には8タイトルあることが知れ渡った。ところが、一方で今年生まれた将棋の冠もある。「達人」だ。対象は全現役棋士ではなく、50歳以上の棋士。「第1回達人戦立川立飛杯」が開催され、50歳以上の棋士54人が参加した。羽生九段を筆頭に、谷川浩司九段、佐藤康光九段、森内俊之九段らの実力者も参加したのだ。決勝戦は、羽生善治九段対丸山忠久九段の対局となり、羽生九段が勝利し、初代の達人に輝いた。そして珍事が起きた。羽生日本将棋連盟会長が賞状を読み上げ授与し、優勝した羽生九段がその賞状を受ける一人二役。授賞者と受賞者が同じ人だという表彰式など見たことない。将棋脳は25歳がピークという。しかし、53歳になってもまだ現役の第一線で活躍している羽生九段には驚嘆する。将棋を盛り上げる名人位を授けるべきだろうと思う。