最近テレビCMに「プリン体ゼロビール」が良く登場する。ビール会社は何の目的でプリン体ゼロのビールを上市したのだろうかと疑問が湧いた。プリン体と言えば尿酸値を高める物質で、痛風を想起させる。自分も若い頃、痛風にかかり痛い思いをした。もう2度とゴメンだと思っている。こんな自分みたいな者をターゲットにしているのだろうと思った。ところが、調べてみると通常のビールの100ml/100g当たりのプリン体含有量は3~7mgだ。確かにビール酵母は300mg超と高いがビールになると低いのだ。健康によさそうな納豆でも110mgで、ブロッコリーでも70mg。そもそもプリン体は体のエネルギー源ATPやDNAなどの材料だ。ATPやDNAが役目を終えたとき、体内で分解されて尿酸になる。1日約700mgの尿酸が作られる。そのうち食事由来は約100~150mg。DNAなどから分解されるのが約550~600mg。つまり、食事でプリン体を控えても、体内ではさらに多くの尿酸が作られているのだ。元来アルコールの作用により尿酸値は上昇し、特にビールは危険度が増すと言われている。ビール会社がプリン体ゼロビールを宣伝しているが、結果として、ビールに含まれるプリン体は問題無いが、ビール自体に問題があると宣言しているようなもの。「ビール会社は何の目的でプリン体ゼロのビールを上市したのだろう」という疑問に戻ってくる。
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