私の履歴書に黒田前日銀総裁が

驚いたことに11月1日の日経新聞「私の履歴書」に黒田前日銀総裁が登場した。黒田は10年前に金融バズーカで華々しく登場した。2年でデフレから抜け出してみせると豪語した。ところが、10年経っても物価目標2%を達成出来なかった。そればかりか、国債の5割を超える500兆円を買い上げ、マイナス金利を導入し円安に導き、35兆円もの株を買い上げた。他国の中央銀行がためらうようなハイリスクな禁じ手のオンパレードだった。結局、出口戦略を見出せないまま退任した。現在の日本経済は、黒田の負の遺産で二進も三進も行かない状況にある。黒田は日本衰退の元凶なのだ。イケシャアシャアと私の履歴書に登場した黒田の無神経さには驚いたが、黒田を登場させた日経新聞には見識を疑ってしまう。しかも何と、黒田は私の履歴書で「大幅な金融緩和でデフレではない経済は実現した。企業収益は倍増し、4百万人を超える新規雇用が創出された」と自画自賛している。更に執筆の動機を「終戦期に生まれ、半世紀以上も政策の現場にいた経験を次世代を担う人々のために記そうと考えた」としている。開いた口が塞がらないとは、こういうことをいう。