強かな中国のホタテ加工業者

ホタテ産業について「岸田さん、ホタテ産業をどうする?」を書いたが、その後、岸田によるホタテ産業の復興に向けた実効性のあるアクションは聞こえてこない。ところが、中国国内では既にホタテ産業の復興が始まっているようだ。道内産を中心に日本産ホタテを輸入し、再加工して米国に輸出をしてきた中国河北省の複数のホタテ加工業者が、タイとベトナムに生産拠点を移し、年内にも稼働させる計画を進めているとのこと。中国のホタテ業者は、長年蓄積してきた加工のノウハウがあり、大口の販売先も持っている。中国では殻をむいた後に「つけ込み」という独自の加水作業を行い「ホタテステーキ」と呼ばれる大きさにした後に冷凍品として米国向けに輸出している。でも、中国産ホタテは道産品と比べて粒が小さく、米国側が求める大きさにするのは難しいので日本産に限るという。一方、日本でも中国での禁輸後に国内で独自の加工を目指したが、殻むきを行う人手確保や人件費が追いつかない。一時は加工業務を受刑者の刑務作業に加える検討をしたが、米国やカナダが刑務作業で生産された産品の輸入を禁じているため、断念したとのこと。結局、岸田は手も足も出なかったが、強かな中国のホタテ加工業者は難なく問題をクリヤーしそうだ。