核融合発電の第一歩に成功

量子科学技術研究開発機構が、核融合反応を起こすための条件となるプラズマの実現に成功し、実験運転を開始したと発表した。核融合は、太陽内部で起こる反応を地上で再現することから「地上の太陽」と呼ばれている。温室効果ガスを排出せず、安全で無尽蔵なエネルギー源となる可能性があり、近年は欧米など各国で研究が進められている。核融合発電は、原子同士をぶつけ、発生したエネルギーを電力に変換する。燃料の重水素などは海水から得られるほか、高レベル放射性廃棄物を出さないことなどから、将来の有望なエネルギーの一つとして期待されている。日本は科学的な基礎研究分野で、海外から相当遅れをとるようになってしまっている。国策としてこの分野の研究費を削ってしまったからだ。でも、核融合発電の実用化は、挽回の切り札になる。iPS細胞研究は世界のトップにありながら、予算を削ってしまったので、世界から置き去りにされつつある。決してiPS細胞の轍を踏んではならない。科学に精通した政治家の出現が望まれる。