ジュリーは悪の権化か

ジャニー喜多川の性加害事件の賠償責任を取る事になった姪の藤島ジュリー景子がマスコミから袋叩きに遭っている。ジュリーが悪の権化のように報道されているが、現代社会の光と闇を炙り出すベストセラー作家である橘玲は全く違う見方をしている。サンデー毎日の記事によるとこうだ。ジャニーの死亡によって不法行為の賠償責任はジャニーズ事務所という法人に引き継がれ、その社長に就任したジュリー氏も法人の代表として責任を負うことになった。でも、損害賠償の請求権は3年あるいは5年で時効になるため、ジャニーズ事務所が時効を援用すれば、ほとんどの被害者は請求権を失ってしまうことになる。だが、ジュリーは時効を知りながら敢えて法を超えた救済を約束した。もし、社長を退けば補償責任も無くなり、法を超えた救済も消滅してしまうことを知りつつ社長を続けるという。要するに、ジュリーは自分には法的な賠償義務がないことを知っていて、それにもかかわらず自らの意思で、私財を投じて被害者に補償することを決めたのだ。一方ジャニーズ事務所とズブズブの関係だったマスコミはジャニー喜多川の性犯罪を容認してきたばかりか、反対にジュリーを叩いている。性犯罪を容認してきたマスコミがしたり顔で人権を振りかざし、私費を投じて被害者に補償しようとしている者を好き勝手に叩く。正義の名を騙る者たちの偽善と自己正当化によって、社会は壊れていく。このグロテスクな茶番劇のなかでただ一人、自らの道徳的責任を自覚しているジュリーだけが、人間としてまともである、と結論している。呉々もマスコミにはご用心。