日本酒による健康増進効果

「酒は百薬の長」とは、紀元80年頃に書かれた中国の歴史書「漢書」にある王莽の言葉だ。酒は程々に飲めば百薬の長となるが、度を越せば百毒の長となる。自分は酒飲みだから、酒のことが肯定的に書いてあると嬉しくなる。「日本酒の科学 水・米・麹の伝統の技:和田美代子:講談社ブルーバックス」によると、日本酒には3つの健康増進効果があるという。1つは、がん細胞の増殖を抑制する効果があること。飲酒者の全がん、肝臓がん・肝内胆管がん、胃がん、肺がんの各死亡率が非飲酒者や禁酒者より明らかに低いことが判明している。1つは、善玉コレステロールを増やすこと。また、血液を固まりにくくする働きを持つウロキナーゼを増やし、逆に固まりやすくするトロボキサンチンA2を減らす効果が認められている。もう1つは、ストレス解消作用があること。膵臓は自律神経に敏感な臓器で、精神状態がいいときのほうが十二指腸に送り出す膵液は流れやすくなる。この流れを制御しているのが膵液や胆汁の出口にあたるODDIという筋肉だが、日本酒はこの筋肉を弛緩させる働きがある。酒類の中でも日本酒は、より自律神経の安定につながるという。がんと心筋梗塞のリスクを下げ、更に自律神経を安定させるというのだから、日本酒を飲まない訳にはいかない。現在の焼酎100%の生活を、焼酎50%・日本酒50%に変えていかなければならない。