黒たまごは何故黒いのかを中学生が解明

箱根・大涌谷の名物「黒たまご」は「何故黒いのか」を中学生が解明したとのニュース。黒たまごは大涌谷でしか売られていない。一袋5個入りで500円と割高だが、1個食べると寿命が7年延びると言われている。大涌谷の標高約1400mにある約80度の温泉池「たまご池」で、生卵を約1時間ゆで、湧き上がる約100度の蒸気で15分蒸すと、殻が真っ黒な黒たまごが出来上がる。ゆでると黒くなるのは、たまご池だけだという。定説によると、温泉池でゆでると、気孔の多い殻に温泉池の成分である鉄分が付着し、これに硫化水素が反応して硫化鉄(黒色)となり、黒い殻のゆで玉子が出来るとされてきた。ところが、中学生は気付いた。硫化鉄は安定な物質なのに、アルコール洗浄した手に黒い色素が移るのは変だと。神奈川県温泉地学研究所に相談すると、殻と黒い成分を分離できたら、何か分かるかもと言われた。中学生はクエン酸液とアルコール、せっけん水で殻と黒い部分を分離することに成功。どうやら有機物らしい。そこで探査機はやぶさで小惑星リュウグウから持ち帰った試料の有機物分析を行なった海洋研究開発機構の火山学者に相談。分析した結果、黒さの正体は生物由来のメラノイジンで、温泉中の硫黄と反応してゴムのように丈夫な構造をつくり、卵の殻の表面に付着することなどが分かったという。成果は、中学生を筆頭著者にした論文になり、7月5日付の日本分析化学会誌「分析化学」に掲載された。この中学生も凄いが、それに応えた学者も凄い。日本の未来は明るそうだ。