中国政府の壮大なウソ

中国の人口減少が昨年から始まった。公式統計に基づくと2030年以降に減少すると思われていたが、8年も早まった。日本のマスコミは一人っ子政策のためだと報道しているが、必ずしも正しくはないようだ。事態はもっと深刻だ。昨年ハッキング集団が、個人を特定できる最新の情報を含む10億人分のデータセットを盗み取った。これを基に研究者が分析した結果、中国の人口は14億人ではなく10億人だと結論付けたのだ。何故中国政府は14億人とサバを読んだのだろう。最初は江沢民も胡錦濤も、中国経済の成長を支えるには外国資本の誘致が不可欠と考えた。だから、14億人の巨大市場があり、安価な労働力もたっぷりあるという神話を作り上げたのだ。データの改ざんは習近平体制になってからも続いている。軍事面でも外交面でも虚勢を張り、諸外国を威圧するメリットがあるからだ。中国は「14億の民」という標語を掲げ、高速道路や新幹線を建設し、人口増を見込んで不動産を開発してきた。しかし、入居者のいない新築物件のゴーストタウンを生み出すだけだ。統計偽装の弊害は高齢者の医療保険や年金にも及んでいる。医療保険の給付金減額に対し、高齢者による白髪革命デモが頻発している。一帯一路構想も頓挫しかけている。中国を巨大な成長市場と信じて鉱業や農業の分野で生産規模を拡大してきた諸外国も見直しを迫られることになる。今や中国政府の壮大なウソが曝かれようとしている。