量子コンピューター時代が目前に

理化学研究所が、国産初の量子コンピューターを3月末にインターネットを通じて使えるようにすると発表した。量子コンピューターの開発は米グーグルなど米中勢が先行してきた。でも、日本の量子コンピューターの開発も、もうそこまで来たのかと感嘆させられる。企業や大学が使えるようになれば、脱炭素につながる素材や画期的な新薬の開発の後押しが出来る。また、機器の開発と現場での応用を並行して進め、日本の産業競争力の確保にも繋がる。量子コンピューターはスーパーコンピューターの1億倍以上の速さで複雑な問題を解く能力を持つ。金融市場の予測のほか、化学や製薬、自動車など幅広い産業への活用が見込まれており、新製品の開発などに革新をもたらす可能性を秘めている。量子コンピューターのオープン化は理研の慧眼と言える。一方、横浜国大は量子インターネット構築に向けた、長距離光ファイバー伝送による通信波長光源と量子メモリの接続に成功したことを発表した。量子インターネットは、分散量子計算やクラウド量子計算、そして完全なセキュリティである量子暗号を提供する次世代通信基盤として期待されている通信方式だ。量子コンピューター時代が目前に迫っている。