日本の国会は世界の非常識

林外相はG20に出席すべきだと、このブログ「林外相の資質が問われている」に書いた。しかし、残念ながら林は国会出席を選択した。今世界は流動的だ。バイデンがウクライナに電撃訪問し、ベラルーシのルカシェンコは訪中して習近平と会談し、習近平はプーチンと会う約束をしている。G20外相会合には、ロシアも中国も米国も出席する。ウクライナ情勢に関し、各国の主張が対立するなか、激しい議論が行われるのは間違いない。日本が外相の代理を出すということは、世界に対し日本はウクライナなどの世界問題に関心が無いと表明していると受け取られるはずだ。林はG20出席の我を押し通すべきだった。何故このような事態が生じたのだろう。世耕参院自民幹事長は「総理と全閣僚出席の質疑は非常に重要。外務大臣から意見を聞きたい議員が多い」と指摘。立憲民主党の斎藤国対委員長も「国会対応を優先して頂きたい」と、外務大臣にも国会優先を促したことが要因だ。要するに、国会は国際情勢に疎いのだ。それでも、林をG20へ送る手段はあった。最高権力者の岸田首相がG20の重要性を認識していれば、首相の独断でG20へ送れたのにと残念に思う。結局、国会での林の出番は、たったの53秒。自民議員が「在外邦人の孤独・孤立問題」について質問し、林が「在外邦人の支援は重要な責務で、問題解決にむけて取り組んでいる」と答弁しただけ。野党からの質問は無し。日本の国会は世界の非常識を絵に描いたような結果になった。