部分動員令で目が覚めたロシア国民

プーチンが21日テレビ演説で、部分的な動員令と住民投票の実施と、核兵器の使用を示唆した。これまでは特別軍事作戦と称し、職業軍人だけで小規模に行なうものとしていた。ところが今度は、ロシア国内の予備役を30万人集め、軍事作戦に加担させるという。30万人というのは、小出しの説明で、実際には200万人を対象にしているようだ。ロシアが動員令を出すのは第二次世界大戦以来だ。部分動員令に抗議するデモが各都市で行なわれ、多数の拘束者が出ている。国境では脱出を図る者が長蛇の列をなし、空港にも殺到しているという。ロシア政府は18歳から35歳を出国出来ないようお触れを出した。兵士の脱走、無許可での降伏、戦闘拒否、命令不服従は最高10年の禁錮刑に引き上げた。まさに、特別軍事作戦ではなく戦争にフェーズチェンジした。ウクライナ侵攻が始まった時、数百万人の富裕層や知識人がロシアを脱出した。残されたロシア人は、無関心派と親プーチン派だった。今度は、部分動員令で無関心派の脱出が始まった。ペスコフ大統領報道官の息子が招集を拒否したことは、ロシアの国内事情を端的に物語っていると思う。