日野自動車の燃費不正

日野自動車のエンジン試験での不正が発覚し、国交省は「型式指定の取消し処分」を下した。この処分で日野自動車は1年以上対象モデルの量産・販売が不可能になるという大事件だ。トヨタ・グループのバストラックを担っているのが日野自動車だから、さぞかしトヨタは頭が痛いに違いない。日野自動車の不正とは、中型エンジンのNOx処理装置での不正、大型・小型エンジン搭載車両の燃費測定での不正と幅が広い。明らかに会社ぐるみの不正だ。2016年には日産などの不適切な燃費測定が問題になった。全自動車メーカーが不正しないよう点検をしたはずだが、日野自動車はそうしなかったようだ。「型式指定」とは、該当する車両が保安基準を満たしていることを書類によって証明出来る制度。型式指定を受ければ、量産車はいちいち車検を受けたり、排ガス検査を受けたりしなくて済む。だが型式指定が無ければ、1台ずつ検査を受けねばならず、実際問題として量産は不可能だ。2016年の日産不正までは、国交省は自動車メーカーの数値を性善説で対応していた。ところが見事に裏切られたので罰則が強化され「型式指定の取消し処分」が生まれたのだ。この不正問題が片づくまでは新型車を申請することも出来ない。最早日野自動車は詰んでいる。