天の声あれこれ

伊藤詩織と山口敬之という人を覚えているだろうか。山口は元TBSワシントン支局長で、当時は安倍・菅の情報屋的存在、所謂便利屋だ。就職先の紹介を受けるために伊藤詩織が山口と会食したその夜、伊藤は山口に薬を飲まされレイプされたと告訴。高輪署が犯行の確証を得て、山口の逮捕状を取ったが、逮捕寸前に「天の声」があり、逮捕は闇の中へと消え去った。捜査員は忸怩たるものだったと言われている。まるで三文小説の筋書きだ。高橋圭三ではないが「事実は小説よりも奇なり」という。いや、空想小説通りなのだ。その後両人は告訴の応酬を続けている。問題は「天の声」だ。現場が確証を掴んだのに、握り潰してしまった。握り潰したのが中村元刑事部長と言われている。いわば、黒川検事長に次ぐ官邸の守護神だったのだ。ところが、その張本人がこの度警察庁長官に就任したという。こんな官僚人事があって良いのだろうか。今は、総裁選たけなわ。是非とも、官邸を浄化する総裁選であってほしいと願わずにはいられない。一方で思う。総裁選にもホワイトな「天の声」は無いのだろうか。