感染症対策分科会の迷走

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が、今秋を念頭にワクチン接種が進んだ段階で、日常生活における行動制限の緩和に関する提言をまとめた。接種の完了やPCR検査の陰性証明を条件に、県境を越える旅行や全国的な大規模イベントなどを容認することが柱とのこと。一般的に言って、前もって検討し準備をすることは良いことだ。しかし、デルタ株の感染が拡大し続け、中高年者が重篤化し亡くなる人が増え、相変わらず入院も出来ない自宅療養者が15万人もいて、医療崩壊しているのが現状だ。遅きに失しているが、今からでも感染者を減らす方策と、医療体制を整備することが喫緊の課題のはずだ。東京都では未だに野戦病院を作ろうとしない。何故緩和よりも重要な感染対策を、後追いで検討し準備をしないのだろうか。今の時期に緩和の検討を発表すれば、間違いなく国民の気は緩むことになる。感染症対策分科会は迷走し過ぎている。