リリーフ役は降板を

この期に及んで菅首相が迷走している。昨日は、9月29日投開票と決まった総裁選の前に衆院を解散すると言い出した。ところが、大反対を喰らい今日は「コロナ禍で解散出来る状況ではない」と翻った。コロナの収束が見えないのに、無理矢理解散すれば「国民を犠牲にして緊急事態宣言を解除し、己の延命のための解散」と受け取られるのは常識だ。その常識が見えない程、菅は保身に走っているのだろう。首相は衆院解散権を握っている。だからといって、首相の一存で出来るものではない。まさに菅は奸計を巡らしている状況のようだ。でも、そもそも何故菅が首相に就いたのかを思い出すべきだ。安倍はあと1年の任期を残して辞任した。コロナ禍でもあるので、残り1年間のリリーフ登板であったはずだ。勿論、誰も菅の首相としての力量には期待していなかった。でも、いざ首相になってしまうと、思いの外権力の大きさを実感し、己が万能の神になったとでも思えてきたのだろう。もし、菅が素直に「何とかリリーフ役を真っ当出来ました」と潔く退場すれば、喝采を浴びて良い後生を送れると思うのだが。藻掻けば藻掻くほど、奈落の底へ落ちていく。