シューズ規制の是非

世界陸連がナイキのランニングシューズ・ヴェイパーを使用禁止にするかもしれないというニュースが広まっている。あのピンクやオーロラ色の厚底シューズだ。マラソンの世界記録保持者や日本記録保持者や箱根駅伝の区間記録更新者が履いていた。反発力に優れたフォームで挟んだカーボンファイバー製のプレートを内蔵し、ランナーに足を押し出す感覚を与え加速させるという。何故使用禁止にしようとするのだろう。シューズ技術は時代と共に進化するものだ。アベベは裸足だった。地下足袋が運動靴になり、各種スポーツに合う専用のシューズが開発され、競技も高度化されてきた。ナイキのヴェイパーも、進化の過程の一部分に過ぎないと考えるべきものだと思う。世界陸連は、もしヴェイパーを使用禁止にするとしても、他のシューズをどのように区別し規制するのだろうか。区別出来る訳がない。短距離選手も独自に開発されたシューズを履いている。トラックの材質だって、競技場毎に仕様が異なる。元々スポーツに平等などという概念はない。反則にならない範囲で、各選手が工夫を凝らして有利になるように戦う競技だ。世界陸連はスポーツの本質を誤解していると思う。