植物の気持ち

乾燥が続いた後に雨が降ると、木々が生き生きとしてくる。木々にとって雨は、まさに天からの贈り物だと思っていた。ところが、西オーストラリア大学などの研究チームが、雨が降ると植物はパニック状態になることを発見したという。水は植物が生きるために不可欠なものだが、植物は雨をさほど歓迎していないという。雨は病原菌をばらまく悪魔と認識しているのかもしれない。雨が植物に触れると、植物は複雑な化学的信号を発し、雨から身を守るための備えをするようだ。研究チームの観察によると、水によりMYC2タンパク質が活性化し、266個の遺伝子が動きだし自衛の準備に入るとともに、この信号が葉から葉へ伝播して、様々な防御作用を引き起こしたという。その信号となる植物ホルモンの一つであるジャスモン酸は、空気を通して周囲の植物にも伝達するという。そう言えば嘗てキャベツの話を聞いたことがある。二つのキャベツを並べ、片方を包丁で切ると、もう片方のキャベツがギャーッと悲鳴を上げるという。昔はマユツバか単なる共鳴かと思っていたが、ジャスモン酸の為せる技かもしれない。植木を剪定するときは、前もって植木に断わりを入れる必要がありそうだ。