身の丈に外れた儀式

大嘗祭が始まった。明日の午前3時まで続く。大嘗祭とは、大嘗宮において、国家・国民のために、その安寧・五穀豊穣を天照大神に感謝し、新天皇が神々に供え、自身もそれを食する行事だ。大嘗祭を行う場所を大嘗宮という。大嘗祭のたびごとに造営され、その後は破却、奉焼されることになっている。昔は質素な行事だったが、近代は派手になってきた。今回の大嘗祭は平成天皇の前例を引き継いだ。結局、一夜の大嘗祭のために24億円もつぎ込んだ。予てから秋篠宮さまは「身の丈に合った儀式」と主張されていた。極めて現代に合った見識だと思う。テレビを見ていてこう思った。大金をかけた割には見栄えが悪い。まるで土着民がバラックでお呪いをしているように映る。有難味は微塵もない。この行事を仕切ったのは改憲を目指す安倍政権に違いない。最大の欠点は、平成天皇即位の習わしを安易に踏襲したことだ。その平成天皇は昭和天皇を踏襲した。でも考えてみよう。昭和天皇といえば、太平洋戦争の当事者であり、戦前戦中は軍国主義華やかな時代だった。最大の問題は、その昭和天皇と全く同じ大嘗祭を行った平成天皇の行事にこそ問題があったのだと思う。更にその平成天皇の行事を踏襲した判断こそ、時代錯誤と断ずべきだろうと思う。