秋に桜が散った

政府は総理大臣主催「桜を見る会」が野党の追求を受けるやいなや、突然2020年の会の開催中止を発表した。何事も強引に押し通す安倍政権にとっては異例中の異例だ。それだけ疚しいことがあるということだろう。「桜を見る会」は観桜会の復活という形で1952年に吉田首相が始めたので歴史は長い。目的は、各界において功績、功労のあった方々を招き日頃の労苦を慰労することだったが、安倍政権発足時から変質した。参加人数が8千人から1万8千人に膨れ上がり、費用も1700万円から5500万円に激増した。問題は、地元山口県の安倍後援会が850人も参加していたことだ。しかも、費用は公金から拠出されている。公職選挙法では投票や選挙運動の報酬として供応接待することは事後報酬供与罪となり、罰則は3年以下の懲役・禁錮、または50万円以下の罰金となる。併せて公金の不正使用の疑いもある。これらの罪が成立すれば安倍の辞任は不可避だ。唐突に開催を中止したのも肯ける。安倍政権は、もうすぐ歴代最長の政権になる。長くなればなるほど傲りが出るもの。引退の道には散った桜が敷かれている。