クラス会は続く

毎年の恒例になった高校のクラス会が開かれた。クラス会が毎年開かれるようになったのはY君が言い出したからだ。高校時代は早弁をするちょいワルだったが、社会に出て自営業の経営者になった。学校でも社会でも顔が広い。商工会議所の会員だったが、次年度は会頭になる順番になる時に脱会した。Y君は仲間と群れることが好きだ。だから自然と酒量も多くなる。一時はガンマGTPの高さを自慢していたが、肝硬変になった。1年前くらいからその症状が現われた。吐血し肝性脳症による意識障害が出るようになった。2ヶ月前から入院するようになった。見舞いに行くと、クラス会には顔を出すと言っていた。2週間前に友人が見舞いに行き、1時間ほど会話するほど元気だったという。自分が2日前に見舞いに行ったときは、症状が悪化し殆ど会話が出来なかった。そして今日の午前2時に亡くなった。奇しくも命日のクラス会になった。クラス会の日まではと頑張ったのかもしれない。クラス会は最初に冥福を祈り黙祷を捧げることから始まった。皆で明るく送り出すことにした。盛況なクラス会になった。Y君も満足に感じたに違いない。来年もクラス会が開かれる。Y君の意思はこの先も引き継がれていく。