道半ばの一里塚

先日は、量子コンピューターの実証に対しグーグルが「コメント出来ない」としているので日経記事はフェイクニュースではないかと、このブログに書いた。だが、23日にグーグルが「量子超越」を達成したと発表した。それを受け日経編集委員は「AIをしのぐ技術革新で、AIがソフトウエアの革命とすれば今回の量子超越はハードウエアの革命にあたる」と褒めちぎった。グーグルが53量子ビットまで動かしたのは大きな成果だが、世界で初めて1量子ビットに成功したのは1999年の中村東大教授だ。IBMは「量子超越を実証したとまでは言えないので大したことはない」と言い、スパコン「京」を手掛ける富士通は乱数の発生という特別な問題に限定した結果であり、従来の研究成果の枠を大きく超えたとは言えないと言う。肝心のグーグルでも、汎用的に使える量子コンピューターの実現は10年先と見ていると言う。結局日経が騒ぐほどの革命ではなさそうだ。道半ばの一里塚と言えそうだ。でもグーグルの発表が、各社の開発競争を刺激する。良いニュースであることは間違いない。