ダムの緊急放流と死水域

台風19号による記録的豪雨が降り続いている。テレビでは、各地のダムで緊急放流が検討されているという。昨年の西日本豪雨では、愛媛県のダムが緊急放流したため下流域が氾濫し犠牲者が出たことがあった。大雨で川が増水して堤防が決壊寸前のところに、何故追い打ちをかけて緊急放流すのだろうかと不思議に思っていた。テレビでは、これ以上水を溜め込むとダムが崩壊する危険があるので、ダムに流入する分だけ放流するのだという。自分はダムの下流域に住んだことがないので、緊急放流の仕組みを知らない。だから緊急放流は非情だと思っていた。ところが、調べてみると、テレビの説明が不親切であることが分かった。大雨の予報が出ると、ダムは予め水位を下げて貯水量を大きくする準備をするのだ。そして下流の増水を調節する。それでも、容量以上の流入があると予測されれば、下流域の住民が避難出来るよう時間を与え、崩壊寸前まで持ち堪える。臨界に達すると流入する分だけ放流し、ダムの調整機能は終了することになる。ダムの緊急放流の仕組みは分かった。でも新たな疑問が湧いてきた。ダムの下部には土砂が溜まってしまう死水域がある。定期的に土砂を取り除かないとダムがダムの役目を果たさない。今回の緊急放流に関して、死水域の管理に問題は無かったのだろうか。