ヘッドギアあれこれ

ヘッドギアの用途に新顔が登場した。ヘッドギアと言えば頭部を怪我から守るラグビーが元祖だ。オカルト教団の洗脳器具として名を馳せたこともある。山梨大学ではヘッドギアで脳波を測る研究が盛んだ。こう見ると、ヘッドギアは年々進化を続けているようだ。それが今回更に進化した。米国では、アルツハイマー病などの神経変性疾患に対する新たな治療法として、ヘッドギアに電極を装着し脳に刺激を与える経頭蓋電磁気療法の研究開発に取り組んでいる。軽度から中等度の63歳以上のアルツハイマー病患者8名を対象に、2ヶ月にわたり、1日2回、各1時間の電磁気療法をした結果、認知機能が向上し、たった2ヶ月で1年前の症状に戻ったという。研究者らは、電磁波によりアルツハイマー病につながるアミロイドベータタンパク質やタウタンパク質が脳細胞内で凝集するのを防ぐためと考えている。そのうち、老人施設では全員がヘッドギアを着け生き生きと暮らし始める時代が来るのかもしれない。