山本が投げたボール

山本太郎参院議員が「れいわ新撰組」を立ち上げた。タレントだったが「新党今はひとり」から「生活の党と山本太郎となかまたち」に移り「自由党」へと名が変わってから「れいわ新撰組」に独立した。その「れいわ新撰組」の政策がユニークだ。消費税廃止や奨学金返済免除、時給1500円の最低賃金保証、公務員の増加、公共事業の拡大など。その殆どは現代貨幣理論MMT(Modern Monetary Theory)にベースを置いている。MMTとは「独自の貨幣を持つ国はいくら借金しても財政破綻しない」という経済理論。昨年最年少で米国下院に当選し将来の女性大統領候補と目されているオカシオコルテス下院議員が、政策の裏付けとしたことで有名だ。でも、MMTについては、もう少し様子を見る必要があるだろう。時給1500円の最低賃金は、各方面から猛烈に批判されている。韓国の文大統領の轍を踏み失業者が激増するに決まっていると。だが、文が失敗したのは分不相応に性急に上げたから。寧ろ、日本の将来を考えると、政治のトップがポリシーを持って計画的に実行すべき政策と言える。少子高齢化の難題を克服するには、時給1500円の最低賃金でもやっていける企業体質に変換する必要がある。山本が投げたボールは政治家と経営者の手中にある。政治家と経営者は「日本人の勝算:デービッド・アトキンソン:東洋経済新報社」を読んで勉強すべきだと思う。