漂流する英国のEU離脱

メイ首相の修正EU離脱案も大差で否決された。明日「合意なき離脱」の賛否が問われ、否決されれば翌日に「離脱延期」の賛否となる。「合意なき離脱」は否決され「離脱延期」が可決されるのは目に見えている。そして、メイ首相も辞任することになるだろう。しかし、離脱を延期したからといって「合意ある離脱」が出来る当ては無い。EUとの交渉権は首相から議会に移るが、議会は百家争鳴し益々混乱するに違いない。行き着く先は再国民投票になるのだろう。誰でも自分の意見が言えるのが民主主義の良い点だが、自分の意見に固持出来るのも時には欠点となる。物事を多数決で決めるのも民主主義の良い点だが、賛否が僅差の場合はわだかまりが残り易い。極めて大事な事を決める時は、過半数という多数決が元凶になる。英国にとってEU離脱は極めて重要な決断だ。本来であれば、国民投票の賛否は3分の2で問うべきだったと思う。英国のEU離脱騒動は、民主主義の先進国が民主主義の原理に苦しめられているように映る。