最高裁の罪

1票の格差が1.98倍だった昨年10月の衆院選の選挙無効を求めた訴訟で、最高裁は「合憲」と判断した。最高裁の誤審だと思う。最高裁は2倍未満になった国会の努力を評価して、判断を違憲状態から合憲に変えたという。滅茶苦茶な判断だ。そもそも投票の権利は憲法で平等に1人1票と定められている。憲法に合致しているか外れているかを問われた裁判だから、判断基準は国会の努力ではなく憲法にすべきものだ。限りなく1倍に近くならなければ、違憲状態か違憲ということだ。とは言っても1倍にするのは人の移動もあるから現実的に無理。常識的に1.2倍程度が落としどころだろうと思う。最高裁が合憲と判断したことによる最大の問題点は「2倍未満は合憲だから、国会がこれ以上格差を小さくする努力をしなくなる」ことだ。政治家・政党は善人ではない。自助努力など期待出来ない。2倍未満は合憲という錦の御旗を国会に与えてしまった。最高裁が国民の平等の権利を奪い取った裁判とも言える。最高裁は法の番人ではなく、国会の番犬だと思う。最高裁の罪は重い。