解析はAI、解釈はヒトの時代

日本人の平均寿命は、男性81歳、女性87歳。これに対して、健康寿命は、男性72歳、女性75歳。平均寿命と健康寿命の差は、男性9歳、女性12歳。平均寿命と健康寿命の間で使う医療費は、その人が生涯で使う医療費の半分を占めるという。この間の日本の年間の医療費・介護費は5兆円にものぼる。だから、健康寿命を如何に延ばすかが国の大命題になっている。健康寿命を延ばすためには、やれ運動だ、やれ食事だ、やれストレスをとることだ、やれ笑うことだというのが常識だ。ところが、NHKが作ったAIがユニークな答えを出した。NHKスペシャル「AIに聞いてみた、どうすんのよ!?ニッポン」で放送された。全国の41万人の高齢者へ600項目以上の質問をし、10年以上追跡調査したものをAIが解析した結果だ。健康寿命の最長寿県は山梨県で、74.7歳だが、その因果関係をAIが分析した。その答えは、何と「読書」だという。運動や食事に比べても断トツに相関関係があるという。今のところ何故「読書」なのかは分からない。山梨県の人口に対する図書館の数は断トツで全国1位。運動の実施率は、全国最下位。ヒトが分析すると思い込みが邪魔をする。無意識に色眼鏡で見てしまう。その点AIは邪念が無い。膨大なデータをコツコツと飽きること無く解析する。解析はAI、解釈はヒトの時代が到来したようだ。