世界に漂うBMI

世の中には、科学的な根拠も無いのに医学的に標準化されている指標もある。肥満度を算出するBMIもその一つと言われている。BMI=体重kg÷身長m÷身長m。体重と身長から算出出来るので簡単だ。WHOはBMIが18.5以上25未満を「正常」、25以上30未満を「前肥満」、30以上35未満を「肥満1度」としている。「正常」を健康、「前肥満」をデブ、「肥満1度」を超デブと言い換えると分かり易い。しかしながら、BMIは筋肉量や脂肪量を全く無視した数値だ。考案者も「肥満度を算出するには曖昧だ」と言っている。そもそもBMIを健康指標に取り上げたのは、米国の保険会社が保険料を多く支払わせようとしたためと言われている。これにより標準体重の米国人の半分が肥満に分類されたという。一方日本でもBMIは定着している。防衛省では、自衛官の採用条件にBMIが28を上限としていたが30に緩和する方針を固めた。自衛官の確保が困難になってきたからだ。BMI30には、超デブもいるがマッチョマンもいる。自衛隊が欲しい人材はマッチョマンだが、今までBMIのためマッチョマンが採用出来なかったということだ。本来BMIなどの条件を外し、握力とか背筋力などの身体能力を優先すべきだった。BMIは今も亡霊のように世界を漂っているようだ。