お騒がせ人間

東京五輪の暑さ対策として突如浮かび上がったサマータイムの導入が見送られることになった。五輪の時期だけ導入するという案だから2020年に限り2回だけ時間を変更することになる。拙速で混乱は必至だ。バカな発案だったと思う。五輪委員会は真面な常識を持っているのだろうかと疑ってしまう。見送られて良かったと思ったのも束の間、今度は小池都知事が五輪後にサマータイムの導入をはかりたいと言い出した。夕方時間の活用で需要が増え、人生を楽しむ機会が増えるきっかけになるからだと言う。日本のサマータイム導入への最大の反対意見は、残業時間延長のブラック化だとは知らないのだろうか。お気軽な政治家だと思う。今やEUでは8割以上がサマータイム廃止に賛成している。導入理由であった省エネ効果が乏しく、かつ健康面での弊害が大きいことが分かったからだ。体内時計の狂いが睡眠障害や食欲障害、事故の増大、心臓発作などを引き起こすのだ。サマータイムの導入により1時間早く起床することと、従来タイムで1時間早く起床することは、体内時計にとっては全く違う。もし本当に小池がサマータイムの導入目的を達成したいと願うのであれば、都庁の出勤時間を1時間前倒しすべきだ。どうも豊洲にしてもサマータイムにしても、小池という人物は「お騒がせ人間」にしか見えなくなってきた。