サンゴの白化を食い止める

オーストラリア東海岸にある世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフでは過去最悪の規模の白化現象が発生しているとのこと。地球温暖化により日本でもサンゴの白化が問題になっている。原因が地球温暖化では手の打ちようが無い。ところが、京大の研究グループが、サンゴの白化・死滅を防止する効果がある化学物質を発見したと発表した。サンゴは植物プランクトン「褐虫藻」などと共生し、褐虫藻から栄養を吸収する形で生きている。だが海水温の上下動などのストレスで褐虫藻が逃げ出すと、サンゴは栄養不足で白化・死滅してしまう。研究者らは、褐虫藻が居なくてもサンゴが生き延びる方法を検討し、毒性のある活性酸素を除去することを考えた。褐虫藻がいない状態でサンゴの幼虫に活性酸素を吸収する物質を投与すると生存率が飛躍的に向上したとのこと。海中に散布した時に拡散せずにサンゴにだけ限定的に作用する手法を編み出せば実用化出来る。あともう一歩だ。早期の実用化を願いたい。