悪者の砂糖も使いよう

砂糖は身体にとって有害物質だと言われている。多くの病気・疾患の原因になる食品として問題視されている。酒、タバコと同様に依存性がある。過剰摂取により、虫歯や肥満に留まらず糖尿病、心疾患、ガンの発症に至ることがある。欧州では低摂取化のため砂糖入り清涼飲料水に課税する国すらある。ところが、悪者の砂糖も使いよう。砂糖が将来抗生物質に代わる「未来の抗菌薬」になるかもしれないと脚光を浴びている。潰瘍、切り傷、裂傷などを治療する潜在能力があると話題になっている。問題は傷口からの細菌の侵入。最近の細菌は抗生物質に対する耐性を持つものが多い。だから抗生物質を使っても細菌の侵入を防ぐことが難しい。でも傷口に砂糖を塗るだけで細菌を殺せるという。砂糖の浸透圧が高いため細菌から水分を奪って殺し、傷を殺菌する仕組みとのこと。但し、砂糖は高濃度であることが必要で、低濃度になると反対に細菌の食料源になり増殖させてしまうリスクもあるというから素人は手を出さない方が賢明だ。天然の治療薬は他にも色々ある。抗生物質を次々に創り出してきた科学技術も、今や細菌という壁に阻まれ、天然物による自然療法へと先祖返りしているのかもしれない。