ツーバイフォーの酬い

どうやら我が家の隣の戸建て住宅建築現場で異常事態が発生しているようだ。昨年10月に着工1週間違いで2棟の工事が始まった。最初に着工した家は完成し既に人が住み始めたが、1週間遅れで建て始めた家は途中で工事が止まり、未だにタイベックが張られたままで外装パネルも無い姿なのだ。ハウスメーカーは伊藤忠のイトーピアホーム。ツーバイフォー工法だ。「隣の庭の借景が住宅に」にも書いたが、ツーバイフォーは工法が標準化されているので、大工の技量に影響されずに、品質が安定した家を作ることが出来るなどのメリットがあると言われている。しかも一人の大工が1階の床を張り、1階の壁を立て、2階の床を張り、2階の壁を立て、そして屋根をふく。大工一人で家を建てられることに感心した。だが、建築中に違和感を覚えたことがある。ツーバイフォーは釘打ちの塊だ。滅多矢鱈と釘を打つ。最初の家では、その釘打ちのリズムが心地よかった。如何にも順調に進んでいるよと、言うように聞こえた。ところが、1週間遅れの家のリズムは全く違う。釘打ちにリズムが無い。それだけで不快に感じる。それを追い討ちするように、釘打ちの間にパネルの位置を修正しているような、不規則で耳障りな木槌の音が入ってくる。多分入居してから、クレームのつく物件なのだろうとは感じていた。ところが、この2か月間工事がストップしてしまった。恐らく建築主からクレームがついたのだろう。あくまで推測ではあるが、1週間遅れの家は骨格そのものが歪んでいたのではないかと思う。そう考えると全ての異常に納得がいく。もし自分の推測が正しければ、イトーピアホームは建築主に全面降伏し、その要望に応えるべきだと思う。でもイトーピアホームは、今それしない。だから長らくタイベック張りなのだろう。大工に丸投げし、品質管理を怠った報いなのかもしれない。振り返って、我々一般庶民は、ツーバイフォーは品質が安定しているなどというウリなど信じてはいけないということのようだ。