情けない理事長解任裁判の差し戻し

マンション管理組合の理事長は理事会で解任できるかが争われた裁判で、最高裁が「理事会で選ばれた理事長ならば、解任できる」とする初めての判断を示した。「解任できない」とした一、二審判決を破棄し、審理を高裁に差し戻した。こんな簡単な判断をするのに最高裁まで行くとは、裁判そのものが情けないと思う。自分はマンション管理士の資格を持っているが、それを仕事にはしていない。でも、マンショントラブルの判例は気にかかる。大方のマンションには管理規約がある。管理規約は、言わばそのマンションの法律そのものと言える。だから、規約がどのようになっているかが極めて重要だ。殆どのマンションは、国交省が提供する標準管理規約を手本にしている。だが、標準管理規約には、理事長は理事会で選出するとあるが、理事長の解任については記載が無い。この最高裁まで争ったマンションの管理規約にも理事長解任の記載は無い。理事会が、理事長の行為に反対し、理事長を解任し新たな理事長を選んだ。解任された理事長は、管理規約に「理事会が理事長を解任出来る」という記載が無いので、解任は無効だと争っていた。一・二審は記載が無いので解任は無効と判決した。一・二審の判断は余りにも杓子定規だ。如何にも頭の固い法律家がしでかしそうなことだ。常識的に、理事会で選出出来るのであれば、理事会で解任出来ると考えるのが当たり前。当たり前の判断が、地裁・高裁で出来ないとは情けない限りだ。裁判官の登用試験には「常識問題」を必須とする必要がありそうだ。