表題と本文が乖離した本

本を買うときは、中身をチェックせずに表題を見ただけで判断するようになった。本屋に行かず、アマゾンで買うからだ。新聞の下欄にある本の広告を見て買うことが多い。先日「ついにあなたの賃金上昇が始まる:高橋洋一:悟空出版」が目に留まりオーダーした。著者は、小泉元首相のブレーンで、安倍現首相のアドバイサーをしている元財務官僚の高橋嘉悦大教授。購入の動機は「賃金上昇の根拠」を知りたかったから。だが、この本は237頁あるのに、賃金上昇については、たったの5頁だけ。しかも、最終章のおまけ付き存在だ。賃金上昇の根拠は、失業率が低下しており完全失業率に達しつつあるから、半年から1年後には賃金が上昇する、というもの。表題に本文が負けている。いや、表題が全本文と乖離し過ぎている。全体の中身は、世界情勢とアベノミクスの賞賛で埋め尽くされている。手前味噌の塊とも言える。相当偏りが在る。でも、政権側から見た世界を書いてあるので、普段読んでいる本や報道とは違う側面を知るには、良い本だと思う。暇が在れば読んでも損は無い。