容積率の緩和方法

東京都が老朽化した分譲マンションの建て替え促進のため容積率を緩和すると発表した。グッドニュースだ。旧耐震基準の建物は元々耐震性が低いし老朽化のため地震には極めて弱い。間取りも狭いし、設備も古いし、漏水や詰まりもあるし、見てくれも悪い。不安と不便と醜観の三重苦を負っている。だが、住民にとって建て替えは容易ではない。建て替え費用の手当て、仮住まいの確保、住民の建て替え合意をクリヤーしなければならない。自分が10数年前にマンション管理士の資格を取り、マンション管理の相談会で活動を始めた頃、建て替え希望のマンションが多く存在していた。しかも、容積率の限度一杯に建てられているケースが殆どだった。建て替えには、容積率が行く手を阻んだ。10数年前の当時から、容積率を緩和すれば建て替えが容易になることは分かっていた。建て替え時に階数を増やし、増やした分を分譲すれば、住民は極めて軽い負担で建て替えが出来る。だが、マンション管理士には役所と折衝し容積率を動かす力など全く無かった。今でも残念に思っている。役所の仕事は遅いと思う。10数年前から容積率を緩和していれば、今頃は住み易く見違えるような街並みになっていたはずだ。そこで一つ疑問が浮かんできた。最近はあちこちで超高層ビルが乱立しているが、誰がどのように容積率を自由勝手にコントロールしているのだろう。住み良い社会を作るには、そのメカニズムを解くことが先決のようだ。