負のスパイラル

今朝のトップニュースは仏大統領選の投票結果。予想通り4強が票を分け合う結果になった。1位の独立系・中道でEU統合強化を主張するマクロンと、2位になった極右・国民戦線で反EUを掲げるルペンが、5月7日の決選投票に進むことになった。今回の大統領選の最大の特徴は、長年にわたって政権交代によって政権を担ってきた共和党と社会党が共に姿を消したことだと思う。もう一つは、EU推進派と反EU派が拮抗して残ったこと。従来の政権を見限り、新しい政治局面への展開を国民が求めたということだろう。3位のフィヨンがマクロン支持を表明しEU推進派は44%となり、一見有利に思えるが、一方極右・極左に拘らず反EU票を合算すると46%になる。ルペンが極右を和らげ反EUを強く打ち出せば、EU推進派対反EU派の戦いになり、勝敗はどちらに転ぶか分からない。どちらにとっても、この2週間が勝負だ。仏大統領選の投票率が77%。英国の国民投票が72%だった。この値は高いのだろうか、低いのだろうか。一国の舵を切る選挙の割には、低いと思う。残りの2~3割の人は何故投票しなかったのだろうかと思案を巡らしてしまう。飜って、日本の国会選挙をみると、衆院選では26年前以降70%を超したことがない。寧ろ3年前は53%で、次回は50%を切るかもしれない。惨憺たる状況だ。自民・公明はいつも低い投票率を望んでいる。浮動票が野党に流れるのを恐れるからだ。政権側が選挙の低調さを願い、一方国民は期待出来ない政治に投票の意欲も無くす。まさに負のスパイラルに陥っている。仏、英、日共、政治能力が秀でている訳ではない。でも、仏、英の国民は常にベターを求めているが、日の国民は何も求めず、只他人任せの流れに乗って彷徨っているだけに見える。