ガンは学芸員か大臣か

またまた、安倍球団にお騒がせ人物が登場した。山本地方創生担当相が「ガンは学芸員だ」と切れた。大津市で開かれた地方創生セミナーでの出来事。文化財観光の振興について、見学者への案内方法やイベント活用が十分でないことを指摘し「一番ガンなのは学芸員。普通の観光マインドが全くない。この連中を一掃しないと」と発言した。長浜市長が「インバウンド観光振興について助言を」と質問し、山本地方創生担当相が外国の有名博物館が改装した際のことを引き合いに出し「学芸員が抵抗したが全員クビにして大改装が実現した結果、大成功した」などと述べた。これが頭にあるようだ。だが、外国の学芸員と日本の学芸員は全く違う。山本はそのことを全く理解していない。外国の学芸員はキュレーターと言う。キュレーターとは館長かまたはそれに次ぐ者で大きな権限が与えられている。一方、日本の学芸員は、博物館資料の収集、保管、展示及び調査研究その他これと関連する事業についての専門的事項をつかさどるとされているが、実態は「雑芸員」という別称があるくらい権限など持ってはいない。だから、日本の学芸員が抵抗勢力になるはずがない。山本の指摘は的外れもいいところだ。山本の間違いは、もう一つある。もし日本の学芸員が抵抗勢力なのであれば、文化庁に掛け合うべきものだ。もっとも、山本が文化庁に怒鳴り込めば、自分の恥を曝すだけの話だが。問題の深掘りも出来ない輩が地方創生など出来るのだろうか。甚だ疑問だ。