的外れの訓示

各地で入社式が行われている。だが、残念ながら長の訓示は的外れなものが多い。菅官房長官は内閣府の入府式で「国民全体の奉仕者であることを胸に、一緒に目的に向かって仕事をしていきたい」と新人職員に訓示した。この言葉は、新人に対してではく今全職員に対して発すべきだったと思う。組織的な天下りが明らかになった文科省では松野文科相が「皆さんが萎縮する必要はない」と訓示したとのこと。訓示ではなく懺悔したの間違いではないのだろうか。小池都知事は「都民ファーストの視点を忘れず職務にあたってほしい」と挨拶。最近の小池の行動は「都民ファースト」から乖離し始めている。言葉が一人歩きを始めているようだ。事業で失敗続きの三菱重工業の宮永社長は「失敗を恐れず、新しいことに挑戦してほしい」と述べた。これ以上失敗をし続けても良いと言っているのだろうか。いや、自分たちの失敗を容認させようという魂胆に見える。新入社員が過労自殺した電通では「一人で抱え込まずに仲間を積極的に頼ってほしい」と訴えた。その上司という仲間が新入社員を自殺に追い込んだというのに、全く反省の色が見られない。ソニーの平井社長は「ネアカで行こう」と言ったが、ソニーをネクラな会社にしたのは一体誰だ。的外れのオンパレードだ。長の訓示ほど当てにならないものはない。