ツアーファイナルで感じた事

錦織が何と4年連続でテニスツアーファイナルに出場している。プロテニス界は、長く続いた4強時代が終わり戦国時代を迎えている。その中で4年連続もファイナルに残ることが出来たことは錦織の実力を証明している。でも欧米人に較べ体力的に劣るのは日本人の宿命だ。トップレベルと対戦すると、錦織のサーブ力と多分体力から来る精神力の弱さが表れてくる。だが、対マレー戦は圧巻だった。3時間20分に渡る激戦。テニス界の歴史に残る名勝負になるだろう。錦織はマレーに敗れはしたが、この試合で世界ナンバーワンの座が現実のものとして見えるようになったに違いない。負けはしたが、得るものは大きかったはずだ。このゲームを観ていて、もう一つ得るものがあった。坂井利彰の解説の進化だ。坂井利彰はあの有名な坂井利郎の子供だが、解説は下手。そのことはテニス解説者あれこれにも書いた通りだ。だが、今日の坂井は当時の坂井とは違っていた。幼児のように「ですよね~」と同意を求めない。きちっと解説をする。聴いていて、これがあの坂井利彰かと耳を疑った。まだ一流とは言えないが間違いなく進化していた。少し嬉しかった。自分は他人に対し上から目線で辛辣な事を言う性格だ。だが他人を貶めるために言っているのではない。その欠点を改良すれば良くなるのにと信じているからだ。勿論、坂井利彰の解説が上手くなったのは自分の所為ではない事は分かっている。でも、貶した相手の成長を見るほど心に快いものはないのだ。