サッカー界の久保と久保

ハリルジャパンが11日の親善試合対オマーン戦に初めてFW久保裕也を招集した。久保とは、所属クラブの招集拒否のためリオ五輪に出場出来なかったあの選手だ。でもクラブが久保出場を拒否したのも当然。久保はスイスの首都ベルンの強豪に属し、今季これまで公式戦に連続出場中の活きの良い選手だったからだ。もしリオで出場していたら結果は大きく変わっていたかもしれない。出番に恵まれない香川、清武、岡崎、本田らと違い、試合に出続けている活きの良い海外組そのものだった。更にケルンで活躍している大迫や、国内の井手口も招集するという。ハリルは、いつも後手を引き過ぎてきたが、最善の態勢は整いつつあるようだ。やっとザッケローニの呪縛から逃れるきっかけが出来るのかもしれない。これでひょっとするとサムライブルーが蘇えるかもしれない。話は飛ぶが、サッカー界には、もう一人の久保がいる。J3リーグ長野パルセイロに所属した久保建英だ。東京ベルディの森本より若く、最年少出場記録を15歳5カ月1日に塗り替えた。あのバルセロナが目をかけたが、若すぎて止む無く日本に戻った選手。だが本人は到って謙虚。FC東京に所属することになった。久保と久保の活躍は、監督たちの見識を凌駕するものになるだろう。考えてみると、監督の仕事とは何なのだろうかとも思う。活きの良い選手を使い、草臥れた選手は使わない、という極めて単純な戦法で済むはずだ。何処に監督の監督たる所以があるのだろうか。是非ともハリル監督に聴きたいもだと思う。