キヨスクの怪

名古屋の新幹線ホーム売店から「うなぎパイ」が姿を消し、販売復活を求める声が上がっているという。「うなぎパイ」とは、何とも懐かしい響きだ。数十年前はお土産の定番だった。貰うと「あ、出張だったの」と言うくらい定番化していた。今年から名古屋駅のキヨスクでは扱わなくなったというから、相当売り上げが落ちてしまったのかと思っていた。ところが、3年前の「好きな全国の名物土産ランキング」を1位から並べると、白い恋人、八つ橋、長崎カステラ、うなぎパイ、マルセイバターサンド、萩の月、東京バナナの順となっていて、何と4位と健闘しているのだ。何故キヨスクは、全国4位の「うなぎパイ」を名古屋駅から締め出してしまったのだろうか。不可解な現象だ。店頭に出せば売れるものなのに撤去してしまう理由を考えてみた。「うなぎパイ」の製造元春華堂と名古屋キヨスクと仲が悪いのかもしれない。12本入りが約千円。買い易そうな値段にみえる。だがキヨスクからみれば利益幅が狭いのかもしれない。更にキヨスクの使命とは何かを考えてみた。第一は旅の便利屋だ。旅行者は旅先で困った時に、意外なものでも手に入るので重宝している。旅先でお土産を買う時間が無く手ぶらで帰還の時にキヨスクは光り輝いて見える時もある。まさにコンビニエンスなのだ。だが顧客の要望を無視して、利潤追求だけに走れば利益の薄い商品など置く必要はないということになる。キヨスクも企業であるから利潤を追求するのは良く分かる。でもその前に、キヨスクの企業理念は何なのかを思い起こしてほしいと思う。そこに解があるはずだ。